「そう言えば、この本屋って、阿川さんの勤めるスーパーの近くだな。

恋路を買ったら、帰りに少し寄ってみようか」



そんな事を考えながら車を走らせていると、10分ほどで阿川さんの勤めるスーパーの前を通り掛かった。


「あれ?」

なぜかスーパーの前に人だかりができていて、救急車が停まっていた。


何かあったのかな?

明人はスピードを落とし、助手席側の窓を開けて通り過ぎようとしたその時――


「阿……川さん?」


人垣の隙間から救急隊員が運ぶタンカの上に、横たわる阿川さんの姿が見えた!!

明人は直ぐにスーパーの駐車場に入ると車を停め、急いで救急車の所まで走った。


.