ケータイ小説作家に恋をしました。2


発売日は平日で、明人は営業に出た時に本屋に立ち寄り購入する事にしていた。


しかし、いつも営業に出発する9時30分…

カバンを持って立ち上がった明人を、珍しく課長が呼び止めた。


「あ、おい佐藤」

「何ですか?」


「すまんが、ここの蛍光灯を取り替えてくれないか?

チラチラして、どうにも目に悪い。
多分、買い置きが倉庫にあるはずだから…」

「はい、分かりました」


早く会社から出たいと思っていた明人だったが、意味もなく課長の頼み事を断るわけにもいかず、しぶしぶ倉庫に向かった。


「ついてないな…」

何気なく呟いた言葉が、まるで作者の陰謀の様に現実になっていく…


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