ケータイ小説作家に恋をしました。2


そして駅の改札を抜けると、まだ開いていた駅前の携帯ショップに直行した。


「す、すいません。
機種変更したいんですけど…

あの、えーと…
契約内容も、ボケ放題に」


ボケ放題って…
吉本の芸人かお前は!!


「はあ?
パケ放題の事…ですよね?」

戸惑う店員をよそに、明人の心は既にケータイ小説に飛んでいた。

店員のオススメ機種に変更し、すぐに使える様に設定してもらうと、喜び勇んで家路に着いた。

勇み過ぎて、犬の糞を踏んだ事には触れないでおこう…



明人はアパートに帰ると、1階にある自分の部屋に飛び込み、灯りを点けると新品の携帯電話を取り出した。

そしてすぐにWebの検索機能で、ポポロと入力して検索を開始――


「ヒデェ妄想彼氏、ポポロ…
ケータイ小説サイト木いちご?

何だろう、ケータイ小説サイトって…」

明人は生まれて初めて、ケータイ小説サイトにアクセスした。


.