そして駅の改札を抜けると、まだ開いていた駅前の携帯ショップに直行した。
「す、すいません。
機種変更したいんですけど…
あの、えーと…
契約内容も、ボケ放題に」
ボケ放題って…
吉本の芸人かお前は!!
「はあ?
パケ放題の事…ですよね?」
戸惑う店員をよそに、明人の心は既にケータイ小説に飛んでいた。
店員のオススメ機種に変更し、すぐに使える様に設定してもらうと、喜び勇んで家路に着いた。
勇み過ぎて、犬の糞を踏んだ事には触れないでおこう…
明人はアパートに帰ると、1階にある自分の部屋に飛び込み、灯りを点けると新品の携帯電話を取り出した。
そしてすぐにWebの検索機能で、ポポロと入力して検索を開始――
「ヒデェ妄想彼氏、ポポロ…
ケータイ小説サイト木いちご?
何だろう、ケータイ小説サイトって…」
明人は生まれて初めて、ケータイ小説サイトにアクセスした。
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