しかし―― そんな優柔不断で、見ていて腹立たしい明人にも決断の時は迫っていた。 それは、ポポロ他ケータイ小説サイトを代表する6人の短編で構成された、現代版源氏物語『恋路』の発売日の事だった… 明人の住む街には書店は多くあったが、最近はケータイ小説ブームも下火になり、新刊は数冊しか入荷しなくなっていた。 明人が問い合わせたところ、恋路については5冊しか入荷しないという事だった。 しかも、その日に限り… いや、明人ならではというべきか、様々な不幸に襲われてしまう。 .