ケータイ小説作家に恋をしました。2


明人は仕事に戻るため、自分の営業エリアへと車を走らせた。

運転に集中できない明人は、途中で信号無視で捕まったが、そんな事はどうでもよかった。


明人は、自分のことなのにも関わらずハッキリと分からない自分の気持ちに、情けなくて泣きそうだった。


自分の営業エリアから戻った明人は、午後からずっと海岸のテトラポットに座り、遠く波を眺めていた。

どこからか波が答えを運んできてくれないかと、本気で考えていた。

だけど――


当然のよう、明人の心は明人にしか分からないわけで…

ただ静かに、時間だけが過ぎていった。



ここでは、明人がテトラポットの上で滑り、海に落ちた事はあえて語るまい…


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