ケータイ小説作家に恋をしました。2


店の外からガラス越しに中を見ると、品物の整理をしながら小さい子供の相手をする阿川さんの姿が見えた。

変わらない笑顔と物腰に、明人の胸が締め付けられるように苦しくなってきた。


「だから、何なんだよこの苦しさは…」

明人はギュッと自分の胸元を手で握りながら、自動ドアをくぐって店内に入った。

そして、黙々と働く阿川さんに思い切って声を掛けた。


「レジだと言ってたけど、品物の整理なの?」


阿川さんは明人の声に、驚いて振り向いた。

「さ、佐藤さん!!
どうしてこんな所に!?」


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