ケータイ小説作家に恋をしました。2


そこには、見るからに勝手に営業している怪しげな占い師が、机を前にして座っていた。

「何か用ですか?」


明人が返事をすると、黒い服を着て、おまけに黒い頭巾まで被った老婆が言った。

「若者よ。
お前さんには、不吉な影が常に付きまとっている…」


「そうですか」

そんなことは今更言われなくても、自分でも十分に分かっている事だ。


再び駅に向かおうとする明人を、占い師は必死で呼び止めた。

「ま、待って、お願い!!」


そして、机の上に置いていた水晶玉に手をかざし、何やら呪文を唱え始めた…

「じゅーげむ、じゅーげむ、ごーこぅのずるむけ…

きえ―――――!!」


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