そこには、見るからに勝手に営業している怪しげな占い師が、机を前にして座っていた。
「何か用ですか?」
明人が返事をすると、黒い服を着て、おまけに黒い頭巾まで被った老婆が言った。
「若者よ。
お前さんには、不吉な影が常に付きまとっている…」
「そうですか」
そんなことは今更言われなくても、自分でも十分に分かっている事だ。
再び駅に向かおうとする明人を、占い師は必死で呼び止めた。
「ま、待って、お願い!!」
そして、机の上に置いていた水晶玉に手をかざし、何やら呪文を唱え始めた…
「じゅーげむ、じゅーげむ、ごーこぅのずるむけ…
きえ―――――!!」
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