「そ、そうなんだ。次はどこに行くの?」
「次は、スーパーのレジなんですよ。
初めての接客業なので、ちょっと楽しみだったりしてます」
「そ、そう…」
明人は自分のデスクに座り、仕事の準備を始めた。
何なんだ?
この、胸がキューっと締め付けられる感じは…
以前はキュンで、今回はキューって、僕は病気なのか?
それとも、体の中にチワワでも住んでいるのか?
明人は実際に戸惑っていた。
自分に対し話し掛けてきた人も、関わっても不幸にならない人も、ここ10年あまり阿川さん以外はいなかったのだ。
それに、阿川さんの事が確かに好きだった。
でもそれは、友達として好きな訳であり、女性としてではない。
そう思っていた…
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