ケータイ小説作家に恋をしました。2


明人は、ケータイ小説という物を知らなかった。


以前メールをしていた人がいたが、余りにネガティブ発言が多く、メールアドレスを変更された苦い経験がある…

その為、携帯電話はWeb接続が出来なくしてあったし、アドレスには会社と実家以外登録されていなかったのだ。


ケータイ小説って何だろう?
あの怪我した時に、グルグルっと巻く…


そりゃホータイだ!!


明人は恐る恐る表紙を開くと、ページをめくってみた――


「よ、横書き?」

小説なのに横書きというレイアウトに戸惑いながらも、【ヒデェ妄想彼氏】を読み始めた。


そりゃあもう、凄い妄想癖の彼氏で毎日が白昼夢という…

明人でも開いた口が塞がらず、前歯にハエが止まっても気付かないほど驚いた。


そんな彼氏に不満を漏らしながら、それでも優しく愛情を注ぐ彼女…

それをコミカルに描いたストーリーは、明人のハートをガッチリキャッチ!!

気付くと、駅を15ほど乗り過ごしていた…


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