帰宅すると母さんが夕飯の用意をしていた


『千尋、どうだった?』


『何とか友達できたよ』



『そぅ~良かったわね』



『うん』


私は自分の部屋に戻りジャージに着替えた



私は、ふと父さんの事を考えた



母さんは父さんの事を何も話さない



だから私からも聞かない



私が産まれて直ぐに離婚したと聞かされただけだ



生きているか死んでるのかも、わからない父さんの存在



生きていたら私は父さんに逢いたい


逢って何故、私と母さんを捨てたのか、聞きたい



我が家では【父さん】と言う言葉はタブーだ


あまり深く考えないけど私の頭の片隅に残ってる程度だ



二階の私の部屋から母さんの叫び声が聞こえた



『千尋、ご飯よ』



『あいよ~』



すると携帯が鳴った


サヤからメールが来た



私は携帯を握りリビングに向かった