一瞬にして、

私は温もりに包まれた。



さっきまで溢れていた涙も枯れて
目の周りがスースーする。


「せ、世良サン…?」

「ぷっ、世良"サン"だって(笑)
初めて聞いたー。」

「あの…えーと…」


彼の腕の中で必死に思考を巡らせる。




「伝わってるけどー…
やっぱり言葉にして云ってもらわないと。」


え……言葉…。


「もしかして…」

「ほら、聞かせて?

若菜の気持ち。」



―――――!


腕の中に閉じ込められたまま、
私たちは向い合せになった。



伝えていいの? 笑わない?














「好き、です……。」