「…なにやってんの。」 「……っ!!」 溜息まじりで彼は呆れていた。 そんな彼の冷たい態度に、自分がやってしまった事を悔いた。 「…ほんとに、ごめんなさい。」 視界がぼやけながらも謝る。 「みなさん驚きましたよね。…戻りましょっか…。」 そう言って思い腰を上げようとした。 「若菜。」 「え…?」 世良修吾が腕を掴んで動きを止めた。 いつもの、優しい声で私の名前を呼んだ。 そのままの口調で彼は続ける。 「なんで俺をさらったの?」