月日は一ヶ月を過ぎた。



もうすっかり梅雨の気配はなくなり、

肌に太陽光線が直接ジリジリと刺さる。



教室の窓は全開。

それでも入る風はわずか。


『窓なんか無くなりゃいいのに』

…と、暑さへの苛立ちで窓に八つ当たりするクラスの男子。




季節は真夏、
長い休みも、もうすぐ。








「華チャン!」




……そう呼ぶ声は私ではない。




あれから、私と華チャンは余程の事がない限り、一言も言葉を交さない。




多分、華チャンは最初からそれを望んでいた。



あの図書室での"宣戦布告"を言う為に、

たった1日だけ、
私と友達になった。







今はもう、彼女は私なんて友達じゃないかもしれないけど、



……でも、


私はまだ、華チャンのこと友達だと思ってるよ……。



私が世良修吾と付き合っていなければ、

華チャンの恋愛相談とか聞いてあげれたのに。




…今は、その恋愛相談は私以外のクラスの女子が聞いている。




華チャンの造られたキャラクターで、
あっというまに友達の数は増えていた。