一生に一度も体験出来ないと思われていた高級ホテルのスウィートに、

私は完全に酔い潰れていた。




そのせいで、



「……ん、んん~…。


…………?!!!!!」








私はいつの間にか、しっかりと世良修吾を抱き枕に寝ていた。







「おはよう、若菜。
早く起きないとキスするぞ。」






眉間に皺を寄せたドアップの美形。







「ごっっ、ごめんなさあぁぁぁぁい!!!!!」







バタバタと毛布を放り投げ、ベッドから降りようとした――――――…









ツンッ!





「っきゃ?!」






シーツに片足を取られた時には、

私の視界は床に急降下。







落ちる―――――っ!!















「………はぁー…。


馬鹿の中の馬鹿だろお前。」






お腹に回された筋肉質の腕。






私の上半身は下向きで宙に浮き、
下半身は彼にお尻を突き出すような態勢で





私はなんとか顔面直撃を免れた。






「よいしょ。」




支えていた彼の腕によって、
私の体はベッドへと戻った。






「ひゃ…っ」






そしてそのまま後ろから抱き締められる。







「あ、ありが…」
「本当にキスしとけば良かったな。」





そう彼が言ったと同時に、



チュッ。



軽く彼の唇が私の唇に触れた。








「!!!!!?」
「お礼はこれで良いよ。」






固まっていた私の頭をポン、と叩いて

彼は部屋を出た。








に、二回目がぁぁぁぁ…!!!!!








こうして、朝から興奮冷め止まない私の1日が始まる。