side修吾






「じゃあ、なんで…」



"キスしたの?"







と、若菜にド直球で訊かれた。





………………。



『可愛くて、イジメたくなるから』




なんて、若菜以外にも言えやしない。






それに、さっき押し倒した時の顔。




恋愛小説書いたくせになーんにも知らない。



…あの時と一緒だ。





「ちょ、ちょっと!
何か言いなさいよ!!」




ずっと無言だった俺に痺れを切らした若菜が尋ねる。






「……フッ。」



「な、なに笑ってんの?!」



俺の方を向く若菜。




だから俺も内側に寝返りをうって、
若菜と向かい合わせになる。





そして、


「ますます若菜を離せなくなった。」





「……………へっ?
……えぇえ?!」





"なんで!!!?"
と慌てふためく若菜。




おもしれー。




「じゃ、おやすみ。
明日も学校だろ。」




そう言ってまた背を向けて寝る。






「そ、そんな……。」




後ろで不安でイッパイの口調で話す若菜に腹を抱えながら、


俺は眠りについた。