世良修吾に思いきり頭突きをくらわせた後、

起き上がって、
暴言を吐きながら寝室を出ようとした。






が、むしろ逆効果だったらしい。







あっというまに腕を掴まれ、さっきと元通り。







「やっ…離して下さい!!!
それに、私恋愛経験0じゃありません!!
ちゃんと付き合ってた人だっていたし、告白だって…」



「でもキスはしたこと無いし、それ以上もないだろ。」







それ、以上――――…?






「教えてやるよ。
今この状況でそのキス以上が出来るンだよ。


それに、"あなたの瞳を見ると、ドキドキします"なんて馬鹿正直なこと言われたら、
完璧にお前襲うに決まってるだろ。」








そう言った後、

彼は大きくため息を吐いてから、







私の上から退けた。







「…泣くなよ。不細工だから。」





彼の親指が私の目尻に溜っていた雫を拭った。







私、いつのまに…。