公になる私の顔。



今私を見ている人は、まさか世良修吾の彼女だとは思わないだろう。


ていうか…私ﾓﾃﾞﾙと言える体型と顔じゃないでしょ。





「じゃ､撮るぞ。
橘さん…だっけ?
最初だから気楽にな!修吾、ちゃんとｻﾎﾟｰﾄしろよ!」



「わかってますよ!」




こうして始まった世良修吾とその彼女の２ｼｮｯﾄ撮影会。






一応…それっぽいｶﾝｼﾞのﾎﾟｰｽﾞをしてみる。



カシャｯ。






「…意外とやるな。」


小声で彼が言う。



え……こんなんで大丈夫なの?



「……撮られることも予想してたんですか?」



目線はｶﾒﾗに向けたまま私も小声で尋ねる。




「いや、かなりﾋﾞｯｸﾘした。
ま、でも雑誌には載らないし、ﾊﾞﾚちゃいないから大丈夫だろ。
いい記念だ。」





うわ、すごいﾎﾟｼﾞﾃｨﾌﾞ。




「でもこの写真､彼女が見たら嫉妬するだろーな!」




悟ｶﾒﾗﾏﾝがはやしたてる。





いやぁ、その彼女を今あなたが撮ってるんですよね。




苦笑気味に彼は答える。


「そうですかねー?
現像したら全て俺にくださいね?」



「おぅ、わかったよ。」