そして世良修吾の言った通り、


特に大きなNGもなく、順調に撮影が進み、


3時間後、今日の撮影が終わった。




橘監督によると、本当はもっと長い時間撮影するらしいけど、



『若菜と修吾のデートがあるから、早めに終わらせないと♪』




なんて馬鹿なことを言って早く終わらせたらしい。







楽屋に戻ろうとしている世良修吾とすれ違った。



わざと肩を当てられて。






「あ、ゴメンね!」



片手で"ゴメン"というポーズを作る。





「いえ……」




うつ向いてそう応えると、


足下に、小さな四折りにされたメモが落ちていた。






カサ……ッ。





開いてみると、そこには


『次の仕事も一緒に行くぞ。
デートを拒否する権利はないから。

修吾』




そう書かれていた。






本気でデートするんだ……。