「げっ…!」

鏡を見ると瞼が真っ赤に腫れた悲惨な顔
が映っていた。


「はぁー。シャワー浴びよ…」


家を出るまでまだ2時間以上ある。


目の腫れは引かなくても長い前髪と分厚
い眼鏡で隠れるかな。


少しぬるいシャワーを浴びると、一気に
眠気が覚めた気がした。


背中まである長い髪を軽く乾かし、いつ
ものようにお下げにする。


「はぁー。」


準備が終わると、何度目かわからないため息をついて家を出た。


学校につくとまた、誰とも喋らず、誰と
も関わらない、いつもの1日が始まる。


窓から外を眺めれば、登校してくる生徒
達。


1人で寂しく歩いてくる女子、友達と笑いながら話している女子、大人数でふざけ合いながら走る男子。


私はどれに当てはまるのかな…。


男子は除くとして、私は絶対に前者だろう。


そんなことを考えていれば…


「っ!?」


その3つのどれにも当てはまらない人が
いた。


1人で歩いているのに、どんな団体より
も目立っていて、キラキラしたオーラを
放っていて、周りの女子達が黄色い悲鳴
を上げている。