「入るけど、ひくなよ」 「え」 一樹は、ドアの前で立ち止まり一置きして開けた 私は頭の中が混乱してただ一樹に着いてくしか出来なかった 開いた扉の先は窓から見える綺麗なパノラマ さすが高層ビルなだけある景色 その窓の手前にいかにもTVで見る社長のデスクがある こんなすごい所入っちゃっていいのかな 普段見ない現状に困惑と驚きが飛び交う 「母さん、久しぶり」 「…………」 一樹がデスクに向かって話しかけた クルッ 声に反応して椅子がこちらを向く