ここにいるよ



コンコンッ、ノックの音


だ、誰かきたっ!

「キャッ!」

慌てて忍から離れた為、そのまま床に腰を抜かした


「何やってんの?お前」

「か、一樹っ!」


ドアを開けた途端、不思議そうに頭を傾げてる一樹


ノックに反応して腰抜かしたなんて口が裂けても言えない



そんな私を見て忍はケラケラ笑ってた


「忍っ!」

張本人がからかうように笑ってる


ったく〜

いじめっ子は、忍じゃん

頬を膨らませいじける


「まぁ、バカは、ほっといて具合は?」


「大丈夫…」


私をよそに二人で話してる


ん?

バカ?

バカって私の事〜!?


「か〜ず〜き〜」

「んっ?って、イタタ…痛ぇよっ!」


「誰がバカよっ!一樹のバカ〜」



またいつものように一樹の首を絞める


「アハハ…」

「こ、こらっ!忍!笑ってねぇで助けろっ!」


「アハハ…」


忍が涙を溜めて笑ってる


「一樹のバカ!」

「……まぁ、それだけ元気が出たんなら良かったよ」

首を絞められながらフッと余裕の笑みをする一樹


分かってるよ

一樹の“バカ”は、愛がこもってるって事


心配してくれてる証なんだって事


不器用な優しさ、私は知ってるんだからっ!


「渚…一樹…心配かけてゴメンな…」


はしゃぐ私達にいきなり頭を下げる忍


その姿を見ると胸が張り裂けそうになる


「………宿題」

涙ぐむ私の横で一樹がボソッと呟いた


「俺の宿題…やるなら許してやる」


真顔で呟く一樹に涙が笑顔に変わった


「一樹〜数学、ダメだもんね〜」


ニヤニヤして横目で一樹を見ると真っ赤になってた


「お前も苦手なくせに!」

「うっ…」

絶句


そんな私達のやりとりに忍は笑ってる


数時間前まであんなに泣いていたのが嘘みたいに時は流れ優しい


笑顔が溢れる