「お前さえいなきゃ、俺がトップだったのに…」
小さく呟き、また殴る
お願いっ!!
もう、殴らないでっ!
意識朦朧としながら殴られてる彼を見ると苦しくて堪らない
忍が何したって言うの?
忍は悪くない!
絶対、悪くない!!
「頼むから消えろよ!!」
そう言って、もう一度大きく振りかぶり殴ろうとしてる大川さんの腕にしがみついた
「もう、止めて〜」
「何だよっ!邪魔だっ!どけっ!!」
罵声と共に道路に突き飛ばされる
「…ッ…」
勢いよくしりもちを付き強打したお尻を触って
いざ、立とうとした瞬間
すぐ近くで車のクラクションが激しく鳴ってるのをボーと聞いた
に、逃げなきゃっ!
そう思った時は遅かった
パッパー
クラクションは止まらず車も急には止まらない
「………」
私…
死ぬのかな…
涙で視界がはっきりせずボーとする
「渚っ!!」
私の大好きな愛しい声
スローモーションみたいに彼がこっちに駆け寄ってる
「忍…」
ドンッ!!!
何かが轢かれた音と急ブレーキがクリスマスの夜空に響いた
