「もう〜大人しく待ってたのにキスしてるじゃん〜」
照れ隠しで膨れる私に彼は笑顔で応える
「ごめん…俺が待てなかった」
そう言って、ペロッと舌を出して笑った彼にまたドキドキする
私…こんなに幸せでいいのかな
本当に幸せで涙が出そうになる
神様…
お願いします
これからもずっと二人で誕生日を祝いたいんです
忍がいてくれるなら…
私は何もいらない
「渚…」
「……」
「ごめん…ジュース買うの忘れてた…今からコンビニ行ってくるから渚はここで待ってて」
開きっぱなしの冷蔵庫を見ると本当に飲み物が入っていなかった
ソファ-に置いていたコートを羽織り玄関を出ようとする彼の裾を咄嗟に掴んだ
「渚?」
「………行く」
「え?」
「私も行く!せっかくの誕生日なのに離れたくないよ」
「………」
あ、あれ?
反応なし?
無言の彼に急に恥ずかしくなり俯いた
「……油断出来ないよ」
「忍?」
またギュ〜って抱きしめられた
「ハァ〜可愛すぎなんだよ…渚は〜せっかく我慢してたのに、帰したくなくなったってか、もう帰さないけど」
「え?」
忍の声に反応して勢いよく顔を上げるとそこにはいつもの天使の笑顔ではなく男らしい笑顔の彼がいた
「行こうか?」
「うん♪」
繋いだ手が愛しい
あなたが心から愛しいよ
忍………
