ここにいるよ

「渚ちゃん…」

「………」

彼の甘い香水の匂いが部屋中に行き渡り彼の存在を示してる


「………」

「………」

私は、布団の中で必死に涙を拭う


「渚ちゃん、こっち向いて…?」


彼の優しい声に今にでも彼の胸に飛び付きたい衝動を抑えた


「………ごめんな」

「………」

「渚ちゃん?」

何も言えない

こんな嫉妬に狂って独占欲が強い顔…見せられない



「………お願いだからこっち向いて?」


「………いや」


絶対に嫌だ!

こんな顔見たらきっと忍は嫌いになるもん!


それだけは、絶対に嫌だ!

「………」

ベッドの上で座りこんで強くこぶしをにぎりしめる


他の誰かとキスするのも嫌だけど嫌われるのがもっと嫌な事に気付き抵抗した



フワッとまたいい匂いがしたと思ったら布団に包まった私ごと彼は抱きしめる


「……涼子の事はただのイトコしか見てないよ…俺は渚ちゃんが1番好きだよ」



1番好きな声が耳に浸透して涼子さんのあの声を掻き消す


「俺がキスしたいのは渚だけだよ…これからもずっと…俺がした事は許されない事だけど、でも渚には信じて欲しいんだ…俺が渚しか見てないって事」