ここにいるよ


―――
――――
―――――

「……っ…」

無我夢中で家まで帰り着くとベッドに倒れ込む


布団に包まり声を押し殺して泣いた



何時間もずっと泣き崩れる


布団の中は真っ暗で何も見えない


だけど、瞼の裏に忍の顔が浮かび上がる為に涙が更に溢れ苦しい


「………」


自信を持てない自分が大嫌い



泣き虫な自分が大嫌い

何も変わらず弱い所…嫌気がさす


忍……

私の事嫌いになってないかな?


面倒くさいって思わないかな?



別れたいって思わないかな?


もう嫌だ

何でこんなにも悪い事ばかり考えちゃうんだろう


忍のバカ……

どれだけ忍を思って泣けばいいの?


どれだけ………


「忍の…バカァ…」

ウッウッ……

涙と共に流れる鼻水をすする



「渚……」

その時、聞こえるはずのない声がした



「!!!」

ビクッッ!!

びっくりしてフリーズした

その愛しい声に一瞬で涙がひいた



「渚ちゃん…」


な、何で忍が私の部屋に?

驚いて布団の中で混乱しつつ彼に背を向けた



確かに彼だ

彼の声だよ