ここにいるよ

―――
――――
―――――

「……クックックッ……」

「もう〜いつまで笑ってんの?」



帰り道、手を繋ぎながら必死に笑いをこらえてる忍


「だ、だって…あんまりにも可愛すぎて笑いが止まんない」


苦しそうにまだ笑ってる


そんな忍の横で膨れる私の手をギュッと握ってまたいつもの笑顔



「……大好きだよ」

「!!!」


「……また渚ちゃんからしてくれたら嬉しいな〜」


忍が嬉しそうに話し掛けてくる


「嫌…もう絶対しない」

「え〜〜」

「だって恥ずかしいんだもん!絶対キスしない!」


精一杯、反抗する

忍の笑顔には絶対頷かせる力があるから必死にそっぽを向く



「………」

「絶対しない!」

「………」

沈黙が続く忍の方を見たいけど必死にそっぽを向き続ける


「……渚……」

「え…?」

い、今…名前…

とっさに彼の方を向くと不意にキスされる


「///」

「いいよ…」

「え?」

「したくなったら俺からするから……」


そう言って、またキス

「……けど、渚ちゃんからしたい!って思わせてやるから覚悟してね」


ニカッと笑い、舌をペロッと出し宣戦布告する忍


「思わないもんっ!」

「ハイハイ…」

何でも悟ってるみたいに彼は笑う



本当はね…

恥ずかしいんだけど…

今も抱きしめてキスしたいんだよ


でも……

くやしいから内緒

絶対教えてあげないっ!