ここにいるよ

――――
―――――
――――――

「…ん…」

しばらくして肌寒くなり目が覚める


まだ重いまぶたを開くと、忍の寝顔が目の前にある


「///」

か、かわいい…

あまりにも無邪気に寝てるから一瞬で我に返っちゃう


「………」


この人が私の初めての彼氏なんだ


甘党でヤキモチ焼きで行動が大胆で天使の様に笑ってかっこよくて

忍を見ると温かい気持ちになって笑みがこぼれる


あんなに遠かった人なのに

それなのに

こんな近くに

こんな側にいる

彼がいてくれる現実を誰にお礼を言ったらいいのかな?



「……好き……」

心の声が口から漏れる

慌てて口を塞ぐ


「……ありがとう…」

「!?」

声がしたので彼の顔を覗くとうつぶせたまま横顔だけこちらを見上げてる


「お、起きてたの?」

「……ん…今、起きた」

目を擦りながら微笑んでる

恥ずかしくなって俯く


「そろそろ帰ろうかな〜」


さっき、好きなんてサラッと言っちゃったから慌てて帰る支度をする



「渚ちゃん…」

「は、はい…」

そんな私を見据えニカッと笑い忍はとんでもない事を言う




「……キスして……」


え?

今…何て??

「キスしてくんなきゃ起きない〜」


プクッと頬を膨らませて甘えてる


「キ、キスって私から??」


また、ニヤッと笑って頷く


「早く〜♪」

「で、でも」

「早くしないと帰れないよ♪」



ウィンクまでして可愛い笑顔で待ってる忍


「早く♪♪」


えぇぇ〜!

本当にするの〜!

恥ずかしくて出来ないよ〜

忍のバカ〜〜〜!