「森村!これが終わるまで帰るなよ」
放課後、図書室
担任から呼び出しをくらい私が最も苦手とする数学のプリントを手渡される
「先生〜無理だよ〜こんなに沢山!」
少し甘えた口調で何とか取下げてもらおうとするけど先生は無視して去っていった
ハァ〜と深くため息ついてプリントに向かう
名前を書き、いざ問題へ!
………
………
「数学なんかなくなればいいのに」
すぐにリタイアしてしまう駄目な私
口を尖んがらせいじける
向いてないんだよ…
やる気をなくし誰もいない図書室の机でうつぶせ呟く
「…ハァ…会いたいな〜」
「誰に??」
………
………
「!!」
耳元に囁かれる甘い声に反応し勢いよく顔をあげた
「急いで来たけどやっぱり授業間に合わなかったな」
「忍…」
目の前に立つ彼を見上げると自然に笑顔になる
「ハァ…疲れた…」
ドスッと向かい合わせの椅子に座り机に寝転ぶ
サラサラな髪がプリントに触れる
「ん?何…これ」
プリントに気付き忍が読み上げようとする
「あっ、そ、それは」
居残りでしてるなんて恥ずかしくて言えないよ
