ここにいるよ

「あ、あの…」

冷たい視線にビクビクして言葉が見つからない


突然入ってきた女性に圧倒される


美人な顔が嫉妬で歪んでる姿を見るとゴクリと唾を飲み込んだ


殺伐した雰囲気に飲み込まれそう


「何で、忍の楽屋にいるのかって聞いてるの!」


私より高い身長、センス良い服から見える細い足、無駄がない体


小さな顔が瞳が私の姿を捉える



「あ…あの…」

「忍のファン?本当、そういうの迷惑だから!」


「……ち、違います!ファンなんかじゃ…」


ファンなんかじゃない…

ファンなんかじゃ…

私の精一杯で反論する


「……もしかして、ハルの新しい彼女??だったら隣の部屋だから早く出ていきなさい!」



そう言って、いきなり私の腕を強く握って部屋から追い出そうとする


なんか、誤解してる!

私は…

ハルの彼女なんかじゃないのに…


反論したいのに彼女の力強さに負けなすがままドアの前まで押された



「ホラッ!早く!」

「!!」

イタイッ!


グイグイ、押され必死で反抗しようとするけど圧倒されて力で負ける


一気にドアを開けられ廊下に乱暴に出されると偶然誰かの胸に当たった



「ごめんなさ……」

………

………

この香り

間違いない!!


「忍!?」