ここにいるよ

「本当、心配性だな…忍も」


「………」

部屋に二人きりだと少し緊張して沈黙する私を気遣いハルが話を続ける



「でも、マジで渚ちゃんの事、好きなんだな」



「え…?」


「だって、この楽屋には君以外入った事ないよ?」


「え…」


「今まで付き合ってた彼女は、絶対事務所には連れて来なかったし」


!!!


ハルの言葉が全身に行き渡ると嬉しさが込み上げて赤面してしまう


「そ、それ…本当!?」


「うん!だから君は特別なんだろうね」


「///」


特別………


そんな言葉をハルに言われると本当に嬉しくてにやけちゃう



忍の親友から言われたら真実味が倍増するから


「転校するって聞いた時も驚いたけどね…一般の高校に行けば騒がれるじゃん?絶対」



「うん……」

「あいつ、騒がれるの1番嫌いなくせに君の側にいたいだけで転校までしちゃうし。渚ちゃんの存在はあいつにとってもうデカイんだろうね」



「………」

ハルはしみじみ語りだした


「うらやましいな…俺もそんな相手が欲しいよ」



ハル………?


切なそうにテーブルに置かれてたジュースを飲んでる姿を見ると今更だけどハルも普通の男の子なんだなと悟った



「ハル!あんたの番よ!すぐに来て」


またさっきのマネージャーがいきなり入ってきた


「はいはい…」

そう言って嫌々そうに椅子から立ち上がると


「もうすぐ、忍は戻ると思うよ♪」


「うん」

「またね〜♪」

ニカッと笑ってハルは部屋を後にした




ハルにも絶対現れるよ

私みたいに一途に想う誰かが絶対いる筈だから


だからそんな悲しい顔しないで


ハルの幸せを祈りながら忍から出されてたココアを飲んだ