「何で俺の楽屋にお前がいるんだよ…」


「あれ〜渚ちゃん!久しぶり〜」



前に一度来た忍の事務所があるビルにたどり着き彼専用の楽屋に入るとハルが鏡の前でドーナツを食べていた



ため息をつきながら私をソファーに導き忍はハルと話す


「大体、自分の楽屋があるのに…何でいつも俺の楽屋で待機すんだよ!?」


「あっ、渚ちゃん!ドーナツどうぞ…♪」


ハルはマイペースにドーナツを私に差し出す


「あ…ありがとう」

ドーナツを受け取る

「ったく!人の話聞けよ」


ハルのコメカミをグリグリねじりながら呆れてる忍


「イテテッ…だって、こっちのが居心地いいんだもん」


忍の手が離れた瞬間、ハルはいじけだした


じゃれあう二人を見て思わず笑った


「何…笑ってんの?」

「あ、ごめん」

「もう〜いいや、俺にもドーナツ頂戴♪」


そう言ってドーナツを頬張る


本当に仲がいいな〜♪

妬けちゃうよ…

そう、思いながらドーナツを食べた


コンコンッ!!


ほのぼのとした雰囲気が流れる部屋に誰かがノックした


「誰!?」

忍の一声に誰かが入って来た



「忍!時間よ!あっちで用意するから早くしなさい」

いつか見た女マネージャーがけたたましく入って来た


「分かったよ」


忍は、渋々残りのドーナツを食べた


「渚ちゃん、ちょっと行ってくるから待ってて」


「うん」

「………」

部屋から出ようとするとドアの前で振り返る忍


「ハル…」

「ん?」

「渚ちゃんにちょっかい出すなよ!」


「は、はい…」

釘をさす忍にビクビクしながら返事をするハル