キンコーンカーンコーン…

6時間目の始業チャイムが鳴る


さっきまでの校舎中騒がしい空気が180度変わり静かになる


「………」

「チャイム、鳴ったね…」

誰も来ない屋上に私達は、身をひそめた


繋がれた手が離された途端引き寄せられ抱きしめられる



ペタンとその場に座り込む


「やべっ…転校初日でサボっちゃった」


ドキドキ……

忍の心臓の音が聞こえる

「………」

「後で一樹から怒られるな〜まぁ、いっか」


冬空の屋上は寒くて風さえも冷たい


でもこうして抱きしめられてると一気に体温が上昇する



「……渚ちゃん?」

あまりにも何も言わない私の顔を横から覗いた


吐息が聞こえるくらい側にいすぎて赤面してしまう


「放課後…暇?」

「え?」

低い声が全身に染み渡り鼓動が早打ち


「部活…?」

「ううん!今日は休み」

「よかった、それならデートしようか?」


「うん///」

私の返答を聞いた直後、また抱きしめられる


このままでいさせて

どうか今すぐ時間を止めて


忍の胸の中で幸せをかみしめた






ねぇ

忍………

あの屋上でのぬくもり

今も

ずっと忘れずにいるよ

今も

こうして思い出してる

出来ればずっと

感じていたかったよ


ねぇ

忍………

本当は…ね

ずっと側にいたかったんだ


誰よりも近くに…

誰よりも…………

今は叶うはずもない想いを胸に生きてる