「痛い痛い!もう離せよ」


屋上に着いたら忍が掴まれた腕を振りほどいた


「…で?何でここにいるんだ!」



「さっき言ったじゃん!転校してきたって」


「ハァ〜〜?マジかよ…」

「マジ」

「勘弁してくれよ…」

忍の一言にため息つきながら腰を落とした


忍はニコニコ笑いながら一樹の頭を撫でる


気が抜けてされるがままになる一樹


そんな微笑ましい兄弟のやり取りを見て私まで笑顔になる



「何、笑ってんだよ!」

「あ、ごめん」

「ったく!何で今更…」

「そんなの決まってじゃん!」



忍が突然私を見てまた微笑んだ



その瞬間

また胸が脈打つ

ドキドキ…

ドキドキ…


「彼女の側に居たいから」


そう言ってウィンクされた


「忍///」

ポ〜と感動する


「は?何だよ!彼女って」

「俺の彼女、淋しがりやだからさ〜」


はにかみながら頭をかいてる忍と目が合って微笑み合う



「質問に答えろよ」



!!!

一樹の言葉でさっきまでの温かい空気が殺伐した空気に変わった



急に忍も真剣な顔になり一樹と目を合わせた



「俺、今、渚ちゃんと付き合ってる」