「俺、オレンジがいいな☆」

ニカッと笑いながら落とした小銭を拾ってくれた


いるはずないこの高校に忍が存在してる事に驚きが隠せず絶句する



「渚ちゃん?」

今日も眼鏡をかけてる忍の大きな瞳に私が映る


少し恥ずかしくなり俯くと彼の服装に目が止まる



「!!!」


もしかして忍が着てるのってうちの制服??


この前見た茶色い制服ではなくうちの紺色の制服を身に纏って颯爽と立ってる



オレンジのピアスは相変わらず輝いて売店にいる男子達とは比べようがなくカッコイイ



「似合う?この制服」

私が目についた事に気付いて質問してくる


「に、似合うけど…何でここに?」


「それは……」


忍がニコニコしながら答えようとすると背後から私を呼ぶ一樹の声がした


「森村〜ついでに俺のも買っ…て…」



忍に気付き固まる

やっぱり驚くよね〜

未だに混乱してるもん

私だって…

「一樹、久しぶり」

そんな私達とは反対に落ち着いて挨拶してる



「な、何でお前がここにいるんだよ!」



「何でって転校してきたからよろしくね!弟くん」



…………

…………

ん?

何て言った?

今、何て言ったの?

転校?

嘘でしょ〜


「ちょ、ちょっとこっち来い!」



グイッと勢いよく忍の腕を掴んで連れていく一樹を必死で追った



ふと、忍は振り返り私にウィンクした


///

もう〜

可愛すぎ〜

好きだよ〜

忍〜


転校なんて普通じゃ考えられなくて混乱してるのに忍に会えて嬉しい気持ちが勝っちゃった