ここにいるよ

しばらくして、ｶﾌｪを出るともう外は真っ暗


「もう暗いから帰ろうか」


忍は空を仰ぎながら呟く


「え…」


もう少し、側にいたい

明日からまた忍は仕事で会えなくなるから


ちょっと淋しくて表情を曇らせたら一瞬の隙も逃さず忍は急にﾆﾔﾆﾔしだした



「淋しい？」

「うん…」

素直に頷くと忍まで赤面

「そ、そっか…本当素直だね〜かわいい」


少しはにかんで私の頭をクシャとした


忍は嬉しそうにまたﾏｼｭﾏﾛみたいな笑顔


「///」

「俺も淋しいよ」

「///」

忍の手が頬に触れる

ﾄﾞｷﾄﾞｷしてﾊﾟﾝｸしちゃうよ


もう心臓がどうかなっちゃうよ〜


「あ〜もう申しなんか辞めちゃおうかな〜」



「え…」


「辞めたらﾃﾞｰﾄ一杯出来るし…ずっと一緒にいられるし」



「ダメ！」

「え…」

私はとっさに我に返り叫んだ


「側にいたくないの？」


忍は頭を掻きながら頬を膨らませいじける



「側にはずっといたいよ！でも彼女になれただけでも幸せなのに、私だけ独占したらダメなの！忍のﾌｧﾝがRankで見れなくなったら可哀相だよ！！」



一気に言ったので息が切れる



忍は呆気にとられてる


「私は寂しくても我慢するよ！だって忍はもうここにいるから！」


ﾊｱﾊｱ……

肩で息をしてるとｸﾞｲｯと腕を引っ張られていつの間にか彼の胸の中に包まれてる


忍のいい匂いがする…

何だか幸せで心が温かい

こんなに私を幸せにしてくれるのは忍だけだね…



「わかった…辞めない」

喋る度に忍の体温が熱くなる


心臓の音が私の音と一つになる


「でも我慢なんかしなくていいから……わがまま言っていいんだよ…」


「え…」

「独占してよ…してくんないと淋しいじゃん！せっかく渚ちゃんが彼女になってくれたのに…」



忍の声が耳に響く

彼の声

言葉に

腰が抜けそうになる



ふと下を見ると二人の影が一つになってた