少し茶色いブレザー制服にネクタイを少し緩ませ長い足は際立ち凄くカッコイイ


通り過ぎる人全てが忍に釘付けになる



私は少し恥ずかしくなって俯いた


やっぱりカッコよすぎなんだよ


忍……

こんな私でいいのかな?


忍のサラサラした髪と私のクルクルした髪が風でなびく


こんな不安も風で飛んじゃえばいいのに…


「少し、腹減ったな…渚ちゃんは?」


「え?」

「何か食べようか?」

「あ、うん」

忍の笑顔は温かくて

不安なんかすぐ消えちゃう

魔法みたいに



「俺、ココア♪」

「私も……」

近くのカフェに入りオーダーを済ませた


学生達が店中に溢れ窓際しか空いてなくてしょうがなく座る


忍は窓から頬杖ついて外を見てる


店中の視線が背中に刺さって痛い


コソコソと話す声が気になって耳を大きくして集中


『ちょっと、あれってRankの忍じゃない?』


『本当だ…カッコイイ』

『ってか、あれって誰!?超〜似合ってなくねぇ?』


『妹じゃないの?』

『彼女なわけないじゃん』


私を否定する声がカフェ中に響く


居づらくなって下を向く


似合ってないのは私が1番知ってる


分かってるけど


でも…

それでも側にいたいんだもん


言われるのはしょうがない


………


我慢しなきゃ


………


…………


や、やばい……


泣きそう……


急に目頭が熱くなって涙ぐむ