私の髪を優しく撫でて頬に触れまた口唇が触れた


………


一樹とは違うキス

やっぱり好きな人とするキスは違うんだね


幸せが満ちてくる感じ

気持ちがこもってれば

好きな人とするのが

本当のキスなんだ


「なんか甘いね」

「え…」

「まぁ、ケーキ食べたから当たり前…かな」


またクシャクシャな笑顔

舌をペロッと出して笑ってる

私もつられて笑う

そんな些細な事が本当に嬉しくてひたすら笑いあった


嘘みたい

二年前から本当に

苦しくて切なくて

何度も泣いた

でも、こうして

夢が叶った……

やっぱり信じてれば叶うんだね


不安になって諦めたらそこで終わり


諦めたらこんな幸せは待ってなかったよね



諦めないで信じ続けてよかった


「好き…」

「うん…」


私達、二人の周りは不思議と寒くなかった


逆にお互いのぬくもりで熱いぐらい……







ねぇ、忍……

私、幸せだったんだよ

世界で1番

幸せだったよ…

なのに

私は自分から

大好きなこの大きな手を

離してしまったんだよね



ねぇ、忍……


この先

誰と出会っても

誰と恋をしても

私には忍だけだよ…