ここにいるよ

一樹は冷や汗をかく

里子の答えに慌てる

「どうしたの?一樹」

「なっ、何でもねぇよ」

「ふーん」

私は口を尖らせて彼を見上げた


「森村〜!部長が呼んでんぞ」


教室のドアからクラスメイトの子が私を呼ぶ

「は、は〜い!」

「ちょ、ちょっと渚!」

「ごめん!今日無理」

「ちょ…ちょっと!?」

私は里子の制止も聞かずに教室を後にした


「あ〜!逃げられた」

里子は一樹の顔を見るなり少し意地悪する


「何、安心してんのよ」

「ばか…何に安心すんだよ」


そう強がってる割には顔がにやけてる一樹


「言っておくけど…」

「何だよ」

「渚、結構人気あるよ?モタモタ友情ごっこしてたら取り返しつかなくなるよ!?」



「何、言ってんだよ!ばかじゃねーの?だっ、誰があいつなんか好きなもんか!!」


「誰もそこまで言ってませんが…」


「あっ!」

一樹はしまった顔で里子は呆れ返る