「え…」

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忍がこっちを見てる

見つめられてる

何で……


ちょ、ちょっと待って


忍の澄んだ瞳に吸い込まれそうになる



鼓動が早くなって顔が熱くなる



「俺、渚ちゃんの事、知ってたよ………」


整った顔に笑顔が消えて真面目な顔になる


雑誌でいつも切ない顔をする忍になってる


あの天使の笑顔とは別に違う意味でドキドキしてる


「何で…?」

「何でって、ずっと手紙くれてたじゃん」


「手紙…って読んでくれてたの?」


「うん…ずっと読んでたよってか、次はいつくるんだろうって楽しみだった」



「………」

「テストで65点だったとか、陸上の試合で新記録出したとか…色々」



「何で…」


「何でって、渚ちゃんが手紙に書いてたんじゃん」


そうだ

あの日

雑誌で見つけた日から何度も手紙書いてるんだ


それもいつの間にか日記みたいになって


「ハルからは、変な手紙って言われたけど俺にとっては凄く励まされる大事な手紙だった」



「…………」