四面楚歌

呆然としてるモモノから、絵の具を奪い取った。


「こんな為に使う絵の具じゃないだろ?」


人の事は言えない私だが、これだけは言わせてほしい。


「いじめ何てしてる暇があったら、勉強すれば?」


私は暇さえあれば、勉強してるぞ?

そのお陰で毎回100点取ってるんだ。

勉強は良い。

いじめ何かより100倍楽しい。


「金の力で毎回100点って誤魔化す必要無くなるぞ?」


「「「「えっ…?」」」」


私の一言に、ザワッとクラスの皆が驚いた。

私は知ってる。

モモノとは小さい頃から一緒にいたから。


「女狐の癖に生意気よ!!」


パンッ!


赤面してるモモノが私に平手打ちをした。

私の頬は、赤く染まった。


「八つ当たり?」


ニヤリと妖しく笑ってるであろう私。

そんな私の言葉に、モモノの肩が揺れた。


「今日、朝見たんだ。モモノの父さんがモモノを責めるの」


今日、登校してる時、モモノの父さんが


[お前が金を盗んだんだろ!!この親不幸者め!!]


ってモモノを怒るところ。


「でも、私には分かる。モモノは盗んでないって」


フルフルとモモノの手が震える。

うーん、こんな言葉じゃ、いじめ止めないか…。


「……私に恥をかかせた事、覚えてなさい!!」


ありゃ、逆に怒っちゃったか。

まぁ、いいか。

どんな事になるのか楽しみだしな。

私はそんな軽い気持ちでいた。


モモノが凄い事を考えている何て思ってもみないで…。

そして、心配するミユの事も気づかないで…。