男は、少女がどうやって戦うのか少し興味が沸いたらしく、暫く様子を伺ってみるようにした様だ。 いざとなったら、助けてやろう... そう考え、桜の木に身を隠す男。 なるほど少女の刀を構える姿は堂に入っている。 細身ではあるが、袴から覗く腕は筋肉質だ。 「あの女、以外に強いのかもしれないな...」 無意識にそう呟いてしまうほど刀の構えは美しかったが、しかし所詮女は女。 あの多勢の浪士達には勝てる筈もないだろうと、男もそう思っていた。