笠井 慎…… それが彼の名前。 紙に書かれた番号に、胸が高鳴る。 ダメだ。期待しちゃいけない。 どうせ傷付くのは、自分なんだから。 ぐしゃっと手の中の紙を握り潰す。 「……何やってるんだかな。」 昨晩の彼の温もりを思い出して、自嘲気味に笑った。 「……シャワー浴びよう。」 手の中でゴミとなった紙をゴミ箱へ放り投げた。