その瞬間聞こえたんだ。


『あんな奴、死んじゃえばいいのに』


私の涙腺が切れた


大丈夫。


みんなは窓から身を乗り出してるだけ


グラウンドには誰もいない。


私しかいないじゃない。


だから、お願いします神様



…今だけ、涙を流すことをお許しください



私、死んじゃえばいいのかな…


もう少し前にこんな状況になっていたら


私は快く承諾したかもしれない


『あっそ。じゃあ死んであげる


 それでみんなが幸せになるなら』って



だけど、今は無理なんだ

 
―守りたいモノがある


―私の、今の唯一の希望は、


 私の子供だけなの…


 
それを置いて、殺して死ぬなんて無理