私は、布を口に当てられ気絶した…


遠くなる意識の中、


抱きかかえられて部屋を出たときの


櫻乃の驚いた顔を見て………


ーーーーーーーー…………


目が覚めたのは、ベッドの上、


そして、克真の腕の中だった…


「な…はなしなさ…………………」


『放しなさいよっ』…とか、言えなかった


……克真の頬に、水滴が付いていたから


「…ふっ

 
 好きな奴にこんなとこ見られるとか


 本当にだせぇな……」


そういった克真は、


今にも崩れてしまいそうなほど脆く見えた