ダメ男依存症候群 EXTRA



「……もう……何なの」


 一回戦終了後、ナツはまだ乱れてる息を整えながら言った。


「だって、昨夜はしなかったから」


「それは旬がお酒を大量に持ってきてあたしに飲ませたからでしょ。もう……そんなの言うなら何がしたかったのよ」

 ナツを積極的にさせたかったの。んで、エロいこといっぱいしたかったの。

 なんて、正直に言ったらナツは絶対口聞いてくれなくなるから言えない。


「……ナツ」


「何よ?」


「ナツは、エッチするの好き?」

 思い切って俺はナツに昨夜と同じ質問をぶつけてみた。

 昨夜は即答したけど……


「なっ……」

 ナツの顔が赤くなった。


「いきなり何言ってんのよ!」

 予想通りのナツの反応。

 でも、俺は至って真剣。じっとナツを見つめる。


 するとナツは気まずそうに視線を逸らして、布団に潜った。


「別に、好きじゃない……」

 ナツがボソっと言った。


 昨夜は即答で好きって言ったのに。

 一晩でこんなに変わっちゃうか?


「でも……」

 俺がショックを受けていると、ナツの言葉が続いた。


「すること事態はそんなに好きじゃないけど……旬とだったら、そんなに嫌じゃない……かも」

 ナツの顔がどんどん布団に埋まっていく。言い終わった頃には、頭まですっぽりと布団の中に入っていた。


 えっと、これは……


『旬とだったら、そんなに嫌じゃない……かも』

『旬とだったら、そんなに嫌じゃない』

『旬とだったら……嫌じゃない』

『旬とだったら……好き』


 ナツの言ったことが何回も頭の中で繰り返される。


 繰り返してるうちに都合よくなってる気がするけど、それは気にしない。


 だってナツは素直じゃないから。


 だからきっと、一緒のことだろ?(ホント多分……)