多分、俺がこんなこと考えてるってナツにバレたら、当分の間、エッチしてくれないんじゃないかと思う。


 でもさ? こんなことばっか考えてたら、これがじっさいにあったらなあって、更に妄想が膨らむんだよ、これが。


 まあ、ナツに限っては、実際にそうなることはないだろうけど。



 普段のナツは、さっきも言ったようにあんまり積極的じゃない。悲しいことに、たまに嫌がる時もあるくらいだ。

 ナツがいい時は、何も言わずに応えてくるって感じで。


 俺が誘うからしょうがなくって雰囲気の時もある。

 そりゃあ大人だから、誘われて嫌じゃなかったらそのまま……ってなるだろうけど。


 俺だって普段はそれで満足だよ。


 恥ずかしがったり、照れたり、嫌がったりしながら、気持ちよさには勝てないナツはかなりモエる。全然飽きない。


 だけど、たまには積極的なナツも見てみたいっていうのも本音。

 男としての悲しい性さ。


 だからと言って、いくらナツに積極的になってほしいとか、もっと色んなことしたいとか思っても、実際にどうなるわけじゃない。


 まさかはっきり言うわけにはいかないだろ?


「ナツ、今夜は積極的になってみようか」

 とか?

「俺、もっと激しいことしてみたいんだけど」

 とか?



 ……絶っ対ダメだ。


 絶対引かれる。ていうか、拒否られる。

 もしかしたら、本気で嫌われるかも……


 そんなことになったら、一巻の終わりだ。もう生きてる意味がない。



 もう、妄想は妄想のまま、諦めるしかないんだろうな。

 そう思っていた。


 だけど、それは昨日までの話。