「ナツ」

 旬が呼ぶので、反射的にそっちをむく。


 その瞬間、奈津美の口に、何かを押し込まれた。


「んっ……何……」

 小さなその塊は、甘ったるくて、ホワイトチョコレートの味がした。


 旬が新しいチョコを奈津美の口に入れたらしい。


 状況整理がしたと同時に、旬の唇が奈津美の唇に触れた。


 舌を割り込ませ、奈津美の口内のチョコを舐める。


「これで口直し」

 唇を離すと、旬がそう言って笑った。


「……バカッ!」

 奈津美は顔を真っ赤にしてそういうのが精一杯だった。




~END~