社会人ともなると、仕事収めの日まで、日中はクリスマスなんて行事関係なく仕事はある。


 旬がわざわざ一日中空ける必要なんてないのに。

 これを聞いた旬は、明らかにショックを受けた顔になっている。


「マジでぇ……? じゃあ、クリスマスは会えないの?」


「ううん。夜は大丈夫。夜は空けておくから」

 一応、それは前から決めてある。クリスマスまでに、当日残業にならないために、仕事を溜め込まないようにしている。


 いくらこだわってないといっても、それはあくまで旬に比べての話で、クリスマスに旬と一緒にいたいという気持ちには違いない。


「そっか。それならよかった」

 旬はほっとした表情で微笑んだ。

 それを見て、あたしもつられて顔が緩んだ気がした。


「んで、どうする? どこ行く?」

 具体的なことを決めるのだけど、旬の言い方だと、出掛ける予定のようだ。


「どうしよっか。あたしは何でもいいけど。うちでパーティーでもいいし」

 今は思い浮かばなかったので、思いつきで言った。


 ホント、ただの思いつきだっだんだけど……旬は大きく目を見開いた。


「ナツ、それって、泊まりもオッケーってこと?」


 ……しまった。言うんじゃなかった。確かに、夜にパーティーってなると、そのままお泊りコースよね。


 別にそれも考えてなかったわけじゃないけど……でも、次の日仕事だし……