「なあ、ナツ! クリスマスどうする?」


 十二月の初旬に、唐突に旬が言った。


「どうするって……まだ先の話じゃない?」


「んなことないって。そう言ってたらすぐくるよ、クリスマス」

 確かに、旬の言うとおり、十二月というのは早いもので、もう今年も終わりかぁ……なんて思ってたけど。


 でもあたしはクリスマスなんて、新年を迎える前のちょっとした行事ごとであって、あんまり大したことのように思えない。


 女なのにこんな風に思うって、おかしいかな。

 前まではもっと気にしてて、それなりにウキウキしてたはずなのに。……勿論、彼氏のいるクリスマスだけだけど。



「やっぱさあ。俺らが付き合って初めてのクリスマスだし、二人で過ごしたいよなー。あ、俺、もう二十四日と二十五日はバイト入れないようにしたから! まだシフトは出てなかったけど、もう店長に頼み込んで、絶対入らないようにしてもらったんだ。だから、二日とも、ずーっと一緒に居れるな」


 何、この張り切りよう。

 女の子みたいにウキウキしちゃって……


 ああ、そうか。旬がこんなだから、あたしは逆に冷めちゃったのね。

 イベント事には必要以上にこだわる旬を見てたら、あたしは何か盛り上がれないのよね。

 ていうか。

「あたし、二十四日も二十五日も仕事よ?」