部屋に帰ってくると、奈津美はふうっと息をついて座布団の上に座った。


 隣に置いた鞄と紙袋に目が行くと、奈津美はおもむろに紙袋の中身を出した。


 今日買ったワンピースを広げて見て、旬の言葉を思い出す。


 すると自然に顔が緩んでしまった。



 別に、旬にぎゅーっとされたいわけじゃない。


 だけど、次のデートの時には、きっとこれを選んで着ていくだろうなと、奈津美は思っていた。






【買い物・END】